中国に勝利【卓球戦術教室】水谷隼 - 許昕 5セット目 リオ五輪2016団体決勝

リオ五輪2016団体決勝、日本対中国の2番手、水谷隼選手と許昕選手との一戦です。

許昕 2 10 12 3 水谷隼
9 11
11 3
11 7
10 12

水谷選手が、過去12戦全敗の許昕選手に初めて勝利しました。
ここでは、水谷選手が12-10で取った5セット目を分析します。
 

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許昕のハンド別のデータ

水谷許昕 5許ハ
許昕選手が得意なはずの台上技術で4失点しています。水谷選手のナックルサーブに大苦戦し、これが最後の逆転に繋がりました。そして、バックハンドをほとんど使っていません。許昕選手は、いざというときに自分のバックハンドが信用できないのかもしれません。そして頼みのフォアハンドでもミスが非常に多かったです。中国以外の選手との対戦で競ることが少ないので、いざ最終セットまでもつれると体が硬くなるのでしょう。

水谷隼のハンド別のデータ

水谷許昕 5水ハ
フォアドライブでは失点がかさんでいます。特に前半では、3,4セット目に引き続き、許昕選手に押される展開となっていました。一方でストップで2得点、ブロックで2得点など、相手の打ちミスを誘えていたので、ギリギリの点差で食らいつくことができ、最後はナックルサーブで逆転することができました。

水谷隼のサーブのデータ

全てフォアサーブです。
水谷許昕 5水サ
このセットの後半で使った縦回転のサーブ(真下回転かナックルサーブ)がよく効いていました。許昕選手のようなレシーブの上手い選手は、相手のサーブの回転を利用して鋭いレシーブを送るので、単純な回転のサーブに対しては逆に苦戦する傾向にあります。また、最後のサービスエースは、ミドル前のナックルサーブでした。ミドル前に対してはコースを突くことが難しく、許昕選手は無理にコースを狙い、ミスをしてしまいました。水谷選手は最後の最後で良いサーブを発見しました。

教訓 27種のサーブを持つ

サーブにはいろいろな種類がありますが、基本的な考え方としては「回転」3種類×「コース」3種類×「立ち位置」3種類=27種類あると考えます。

まず「回転」ですが、「横回転系」「縦回転系」「逆横回転系」の3種類です。右対右の場合、横回転系はバック前、逆横回転系はフォア前(要は、相手からボールが逃げていく方向の横回転)に出すと効きやすくなります。相手のレシーブが上手い場合は、前述のとおり縦回転のサーブが有効でしょう。

次に「コース」は、「フォア前」「ミドル前」「バック前」の3種類(ここではロングサーブは置いときます)です。バックハンドが苦手な相手にはフォア前に出して、バックサイドを空けさせます。そしてフォアハンドが弱い相手にはバック前に出して、フォアサイドを空けさせるのがセオリーです。相手がレシーブでコースを突いてきて困っているときは、ミドル前を使えばコースで角度をつけづらいので、レシーブが弱くなります。ただ、ミドル前はチキータや逆チキータがやりやすいので注意が必要です。

最後にサーブを出す「立ち位置」ですが、基本的には「バックサイド」で良いと思います。どうしても困ったときは「ミドル」や「フォアサイド」から出してみるといいでしょう。同じサーブでも、立ち位置が変わるだけで効くようになることもあります。

これだけのサーブの種類があれば、1種類も相手に効かないという可能性はかなり低いと言えます。また、1セット目に効かなかったサーブでも最終セットでは効いたりもするので、試合を通して色々なサーブを試すということが重要になります。

まとめ

まず、水谷選手の縦回転のサーブが効きました。これが、常に効くものなのか、この局面だから効いたのかは分かりませんが、要所で使うべきサーブではありそうです。
サーブが効かなかったとき、ストップ合戦で許昕選手が上回り、そこからのラリーで優位に立ちました。ストップのレベルを上げる必要はありそうです。
回り込みのフォアドライブが強い許昕選手に対し、チキータやバックドライブでフォアサイドに振っていくのが有効でした。そこからフォアハンドの打ち合いで水谷選手が前に詰めることで得点を重ねました。

この水谷選手の歴史的勝利は、東京五輪に向けた大きな一歩になります。張本智和選手など次世代の有望な選手も多く、4年後の金メダルが決して夢物語ではなくなりました。

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